向日性

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腐女子になった日~BL徒然ノートその3

BL界では雑誌や単行本を買わせるために、応募者全員サービスという手をよく使う。

これがくっっっそ面倒くさい。

 

応募方法の一例

「雑誌1月号と2月号を買って応募券<コピー不可>をゲットし、単行本最新刊の帯に付いている応募券と先の2枚の応募券を雑誌1月号もしくは2月号の応募用紙に貼り、郵便局で定額小為替300円を購入、返信用台紙とアンケート用紙に漏れなく記入し、それらすべてを同封のうえ編集部まで送ってね!」

とかですよ。

でも「あのキャラ達の後日談が読める!」って言われたら読みたいじゃないですか。

 

そういう時に限って仕事が忙しかったりするけど、疲れた体を引きずって郵便局に行き、慣れない小為替を買って、入れ忘れがないか何回も確認したその封筒がポストに落ちる音を聞いた時、「もう私は『腐女子じゃない』とか言えないな」と思った。

 

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そうやって手に入れたもの

新語「BL」「腐女子」への違和感について~BL徒然ノートその2

皆さん「ホリエモン」って細木数子が言い出した時どう思いました?

「ねぇな」って思いませんでしたか? もしくは「ドラえもんを汚すな」とか。

でも流行り言葉もある一線を越えると、抵抗する気力もなくなって普通に使ってしまいますよね。

 

「BL」という言葉が誕生したのは、杉浦由美子「オタク女子研究」によると1993年とのこと。

93年だと私は14歳だ。初めて聞いたのが中学生の時だったかは覚えてないが、「ねぇな」って思った。

それまでは「JUNE」「ホモ漫画」って言ってたのに、ボーイズラブって、なに急にきれいに言い換えようとしてるの? 

でも商業誌はこぞってこの言葉を使いだして、たしかに「JUNE」や「耽美」という言葉に違和感はあったし、商業誌で「ホモ漫画」という自虐的ニュアンスを含んだ言葉は使えないよな、でもなぁ…と思っていた。

そしたらどこかから「ホモ」っていう言葉は差別語、と聞こえてきて、だったらもう日常生活でも「BL」を使うしかないですよね。

 

その頃、誰かは忘れたけど「あとがき」で「ホモは差別語というのはわかっているけど、BLってなんか違和感ある。だからこの場では差別的意味ではなくホモ漫画って使わせて」って書いてる漫画家(女性作家)がいて「あー分かるー」と思った。

 

 

腐女子」について

Wikiによると「腐女子という言葉は、1990年代末にネット上で使用が確認されており、2005年頃から一般にも認知されるようになった」。

(「となりの801ちゃん」「腐女子彼女。」ともに2006年書籍化)

最初にこの言葉を聞いたのがいつかは忘れたが、仮に2006年だとすると27歳だ。「ねぇな」って思った。

自虐すればいいってもんじゃねぇんじぇねえか、って思った。

確かに小学生が読む雑誌で妄想するって腐ってるよ。

でも自虐されても他者は困るし、それに、「小学生が読む雑誌で妄想するような腐った行為をしてても、自覚してるから許してね」的なニュアンスさえ感じるんだけど。それって違わねぇか? って思った。おまけに「貴腐人」とか言い出して、アホじゃねぇか、って思った記憶がある。

はじめに~BL徒然ノートその1

私はいわゆる「隠れ腐女子」だ。

腐女子というのはBL(ボーイズラブ金田淳子によると「主に女性の書き手が、女性の読み手に向けて描く、男性同士の恋愛やセックスの物語」)が好きな女性のことで、隠れ腐女子というのはBLが好きなことを日常生活では隠して生きている者のことだ。

 

高校生(90年代後半)くらいからBLに興味を持ちだしたのだが、BL友達が今まで一人しかおらず、その子とは別に好きな作品がかぶってるわけでもないので、今までほぼ一人でBLをたしなんできた。

一生カミングアウトするつもりはなかったのだが、アウトサイダー・キュレーターの櫛野展正(くしの のぶまさ)さんが著書「アウトサイドで生きている」で紹介されている「武装ラブライバー トゥッティさん」のエピソードをイベントで聞いた時に、「わかる、そう、オタって変(おもしろい)なんだよ! 『ラブライブ!』のことは全然わからないけど、腐女子も相当おかしい(おもしろい)んだよ! 」と、今まで抑えてきた「ここがヘンだよ腐女子話言いたい欲」の栓がポーンと取れてしまった。

 

それで、2017年7月に、生まれて初めて同人誌を作ってみた。

この ↓ イベント終了後に、“誰でもノーチャージで物販していい”という夢のような機会があったので。

shinsekai9.jp

 

その時の同人誌のタイトルが「BL徒然ノート」だ。

 

次からアップする以下のエントリを収録した。

 

 恥ずかしいけど、このブログでも公開してみようと思う。

   

f:id:akane_fukamachi:20180312214650p:plainちなみにタイトルは、トジツキハジメ「徒然」(新書館ディアプラスミックス)からいただいた。

「徒然」はBL臭くなくて、不思議な味わいの作品なのでぜひ読んでみて欲しい。

 

 

 

 

 

BLではないが、同じ作者の新書館ウィングス・コミックス「俺と彼女と先生の話」シリーズも、とてもおもしろいのでぜひ読んでみて欲しい。那州雪絵好きならおすすめ。

 

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東京のいも推しおもしろい\(^o^)/

東京に来てから、面白いなーと思って写真を撮りためているのが、スーパー店頭の焼き芋機。

 

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(マルエツ新井薬師前店 2017年5月、ユータカラヤ高円寺 2017年5月、三徳中野店 2017年5月)

 

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(コモディイイダ中野店 2017年5月、キッチンコート東中野店 2017年8月<店内設置>、ローソンストア100西荻北店 2017年11月)

 

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ワイズマート実籾店 2017年6月、同店同じ場所 2017年7月)

  

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(ユニバーサルドラッグ落合店 2017年12月<店内設置>)

 

 

こんなん当たり前じゃん、 と思うなかれ。広島には無かった。広島で冬、焼き芋食べようと思ったら、黒ホイルで作るか、焼き芋屋のトラックが通るのを待つしかなかった。 

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黒ホイル

 


東京に引っ越してきたのが2017年2月。「うわー東京ではスーパーの店頭で焼き芋売ってるんだー」
4月「まだあるよ? でもまだ寒いしねー」
6月「もう夏だよ!?」

 

 

おもわずサツマイモの生産量&消費量の全国ランキングを調べた。

生産量はなんと、青果用で見たら茨木県が1位、千葉県が2位だった!!

(鹿児島県や宮崎県のは主に焼酎用で、青果用ではない)

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平成29年産かんしょの作付面積及び収穫量(農林水産省)より

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平成29年産かんしょの作付面積及び収穫量(農林水産省)より

 


消費量は、こちらのサイトによると、

region-case.com

第1位 青森県

第2位 三重県

第3位 鹿児島県

(東京都32位、茨木県40位、千葉県19位)

なので、そんなに高くない。

 

6月になって機械をしまった店舗と出したままの店舗の店員にインタビューしてみた。

 
しまった店舗:ローソンストア100中野五丁目店 Yさん「夏は出さないです。冬になったらレジ横にまた出します」

出したままの店舗:ユータカラヤ高円寺店 Tさん「うーん、8月とかになったらしまうかは未定だね〜。それよりこの品種(べにはるか)、これが一番焼き芋に合うんだよね〜!」

 

 

まさかのドラッグストアで焼き芋! 

ユニバーサルドラッグ落合店 Nさん「機械は去年もありましたよ。10月から3月くらいの間で設置するかな。けっこうよく売れますよ~」

 

 

 

もしかしたら、東京では20年くらい前からコンビニで焼き芋販売してることが、スーパー店頭での焼き芋機の普及と関係があるのかもしれない。

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新・ゴーマニズム宣言第5巻(1998年) 184ページ

 これを読んだ当時、東京ではコンビニで焼き芋が買えるんだ、すごい!と思った。

 

 

 なんと、最近では広島にも焼き芋機が進出しているらしい!

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(フジ白島<はくしま>店 2017年10月、山陽マルナカ可部<かべ>店 2017年12月)

 

これから広島にも焼き芋機の波が来るのか? 

大阪の現状は?

 

 

 
今、私の感覚は「スーパー店頭に焼き芋機設置⇒めずらしー!」から「スーパー店頭に焼き芋機設置⇒別に普通」にゆっくり、ゆぅ―っくり移っていっている。 

 

2016年2月20日(土)、ヲルガン座(広島駅から市電で20分)で行われた「都築響一トークショーで、都築さんは「さっき『広島駅南口地下広場』フリーマーケットで見た変な人やモノ」を「撮って出し」した(その時買われた“おかんアート”が後に森山直太朗「嗚呼」のジャケットを飾ることになる)。
それ聞いて、「まさか地下広場のフリマがネタになるなんて! 」とびっくりした。
よく都築さん、「遠くに行かなくても、身近に面白いものはある」って話をするし、都築さんのキャラクターがあっての説得力もあるだろうけど、でも、地下広場のフリマがネタになるなんて。

しかも私、けっこうそういう視点で日常を見てるはずなんだよ(だから毎日生きてて楽しい)。だけど地下広場のフリマがネタになるなんて。

 

 

でもやっぱ、「身近だと当たり前すぎて見えない」ってある。
だから旅行で初めて来た土地とか、引っ越して来たばかりとか、旅行から地元に帰ってきた瞬間のほうが「日常に潜むネタ」を見つけやすいのかもしれない。

部屋のにおいみたいに。

東京はポイント4倍!?~上京して思ったこと

1:東京はポイント4倍

上京して、一番近くの100円ショプを検索して行ったら、隣が中野ブロードウェイでびっくりした。

 引っ越す前は、大きいコンサート会場っつったら家から自転車で30分で「広島グリーンアリーナ」があった。今は、「中野サンプラザ」だ。あの。

初めてアルタに行った時、これサンモールじゃん、って思った。

(サンモール:広島市の中心部にある若者向けファッションビル)

 

  サンモール

(グリーンアリーナ、サンモール)

 

地方民はみんなそれぞれ地元の「グリーンアリーナ」「サンモール」を持ちつつ、メディアで「中野サンプラザ」「アルタ」という言葉を聞きながら育つ。で、上京した際に「うおーここがあのアルタか!!」ってなるけど、でもアルタよりサンモールのほうがショッピング的には充実してる。

  

どんなに大きくたって人のサイズには限りがあるし、リニアモーターカーができようが一日で移動できる距離には限りがある。時間と金と体力にはどうしたって限りがあるので、行けるイベントには限りがある。

アフターファイブにどこ行くかって、広島の時はヲルガン座で、今はロフトプラスワン。ヲルガン座のイベントもロフトプラスワンのイベントもどちらもとても面白いけど、ロフトプラスワンのは2週間後にブブカのネタになっていたりする。

 

だから昔は「東京一択」だったのか。

例えるならカードのポイント還元率が5倍とか。

ネットの普及や震災を境にそのポイント感は4倍とか3.8倍くらいに減ってて、これからも徐々に減っていくのだろうけど、とりあえず私が生きている間は文化的に日本で一番でかいところは東京だろうし、それにしてもカードのポイント還元率が4倍ってすごいじゃないか
 

でもポイントは副次的なものであって本質ではない。

ヲルガン座のイベントもロフトプラスワンのイベントもどちらもとても面白いし、「服欲しいなー」って思った時、広島の街中で見つかるもので十分満足してた。東京は広島の何倍服屋があるんだよって感じだけど、大きすぎると逆に探す気が起きなかったりもする。

「東京は遊びに行くところであって住むところではない」ってこういうことか。

 

 

 

2:都会は過ぎると野生になる

駅の人の流れが怖すぎる。普段広島だと、大阪でも怖い。

ラッシュ時、新宿駅のホームって幅が5メートルくらいあるんだけど、反対側の電車の待機列が4メートルくらい伸びてて、全然歩けない。すぐ目の前の階段にたどり着くまでに5分要したりする。

でもすぐに慣れた。人の流れは川の流れみたいだと思う。

夜に新宿駅から三鷹行きの総武線に乗って、発車してすぐ新宿署方面を眼鏡外して見ると、車のライトや街灯が灯籠流しみたいできれい。

朝の満員電車の中でメイクし出す女性(同じ会社の人だったっていうベタなオチ付き)に、ポテチ食う女子高生。

終電の山の手線に乗ったら空いてて、7人掛けの座席に、靴脱いで足伸ばしてiPad見てるリーマン。家かよ、と。

 都会は過ぎると野生になる。

 

 

 

3:方言の謎が分かった

なんで東京の人は出身地の方言がいつまでも消えないの? 普通新しい土地の言葉に上書きされるよね? 信念をもって変えないようにしてるのかな? と思ってたんだが、実際来てみて分かった。
みんな標準語を話すから、言葉が上書きされず、ひとつ前の土地の言葉がいつまでも残るんだな。

 

ただ、言葉は相手に伝わってこそなので、残る方言と残らない方言がある。

私自身はこれまで関西弁→宮崎弁→広島弁と使用言語が変化してきた。
今でも語尾に「~じゃけぇ」はよく使う。広島弁を初めて聞く人でもだいたい意味が分かると思うので(ちなみに「~だから」という意味)。

でも、

たいぎい→面倒臭い

たちまち→とりあえず

たう→届く

~しんさい→~したらいいよ

は分からないだろうから(自分が分からなかったので)、口をつきそうになってもこらえて、そしたら次第に言わなくなった(独り言では言う)。
 
まあそんな感じだ。←まあっていう副詞も広島から使い出した記憶があるのだが、これって地域性なのか、私個人の性格の問題なのか?

市田響「徘徊写真あるいは、」感想

街中のちょっとした風景が切り取られている。

手書きの貼り紙や、なんとなくうらぶれた景色。でもちょっと可笑しい。

 

みんなけっこう空見るの好きだし、日常の中にささやかな可笑しみを見出したりしている。

でもいちいち言わないし、書きとめない。

面倒だし、おまんま食ってくのにじゃまな能力だし。

つい「最近何も面白いことないよー」とか言っちゃう。

 

コンスタントにそれをできるのは、素晴らしいことだと思う。

 

松本哉さんに聞いてみた~「日本古来から伝わるマヌケ文化」って何ですか?

松本哉「貧乏人の逆襲!増補版」(ちくま文庫)P.248より

 何を思ったか韓国版が発売!

(前略)……おや? でもちょっと待てよ? でもこの本って、いろいろ金持ちの文句とかくだらないデモの作戦とか書いてあるけど、よくよく読み返してみると、日本古来から伝わるマヌケ文化が全開だった!

「日本古来から伝わるマヌケ文化」って何? と思い、素人の乱5号店に行って松本さんに聞いてみた。

 

松本(敬称略、以下同)「江戸時代の町人文化とかすごい。誰も働かないし、昼間から酒飲んでるし。落語で与太郎とか、バカを讃える文化がある。

文明開化があって、外国人が起業して日本人を雇ったんだけど、誰もちゃんと働かなくて、『酒飲むな』って言っても『いや飲んでない』って嘘ついて、外国人困ったらしい。手配師に『たのむから昼間から酒飲まない奴はいないか』って聞いたら『そんな奴はいない』だって」

 深町「立川談志が『落語とは業の肯定である』って言ったのを、サンキュータツオが今『落語の歴史は400年あるけど、<落語とは何か>を説明してくれたのは談志が初めて』って言ってて(ぷらすとアーカイブス 「立川談志論」(2011/11/28配信) - YouTube)、私それ聞いて超面白いって思って、そういうことですよね」

 松本「いや談志も言ってるけど、前から落語好きで、そういう無駄を愛する文化、金にがめついのは粋じゃない、こんな無駄なことに金ぜんぶ使って粋だねアイツみたいな、そういのは昔から感じてた」

 深町「でも『日本人は勤勉』みたいなイメージっていつからなんですかね? 何があったんだろ?」

 松本「文明開化で外国に追いつけ追い越せで、あそこらへんが諸悪の根源なんじゃない?」

  

正直、こんなに話が出てくると思ってなかった…!

「バイトやめる学校」感想文(違う視点を持とう~山下陽光「バイトやめる学校」感想 - 向日性)のために読み返して改めて、平易な言葉でテンポが良くて、内容も面白い!! と思ったけど、その裏には一語一語に込めた思いがあったんだな。

ってことで「貧乏人の逆襲!」の続編ともいえる「世界マヌケ反乱の手引書」を買って帰った(発売したころに読んで、図書館に寄贈してから上京したので手元になかった)。会計の際、

松本「いや~、ここに来れば居るってんで、ここら辺でイベントやっても誰も来てくれないんだよね~『なんで金払わねぇといけねえんだ』って」

ってぼやいてた(^-^;

 

でもそれって東浩紀

東浩紀×岡田斗司夫「本当に初めての対談~ニコ生トークセッション」 岡田斗司夫クロニクル 2013.1.21 - YouTube

で「官邸前デモの事務局が“この喫茶店に行ったら居る”っていう場所がなかったのは大問題ですよ」(発言自体は1:34:10頃だが、話は1:32:10頃から始まる)って言ってて、そういうことだよな。

 

 

入店した際に、松本さんと話し込んでる先客がいるな~と思ったら、偶然にも「貧乏人の逆襲!」の編集者、井口かおりさんだった。何年も前に出た本で、著者と編集者に直接感想言えるなんてびっくり。