向日性

Twitter @kojitsusei

大地監督がかっこよかった

大地丙太郎(だいち・あきたろう)監督は「おじゃる丸」「信長の忍び」など数々の名作を作るアニメ監督、演出家。
 
2016年9月5日・6日にロフトプラスワンエストで行われた「大地&太一のホロ酔い演出講座2DAYS!!」に行った時、イベント後に二日とも質問したらかっこいい答えで、素敵…!!(´,,•ω•,,`) って思った。

 

 

1日目

——大地監督ってこんな明るい人だったんですね。

「ギャグ作る人だからね」

 

——でもギャグ作る人が全員明るいわけじゃないですよね。

「でも俺一人の時は暗いよ」

 

 

2日目

(消失の質問した後も、いろいろ話してくださった)

「『うる星やつら』が好き。TVシリーズがおもしろいんだよ。演出が上手い。

あとルパン三世とかど根性ガエルとかガンバの冒険とか昔の東映とか」

 

「(既存のアニメが)おもしろくないから自分で作り始めた」

 

——大地監督の世代はアニメはあまり見てないんですか?

「アニメなんか見るなって言われてきた。本とか映画をよく見た」

 

——“俺はこれを見てきたよ”って何ですか?

「俺は狭いよ。赤塚不二夫近衛十四郎チャップリン

赤塚と近衛がチャップリンにつながる」

 

 

一日目も握手してもらったけど、二日目も握手してもらった。

手が大きかった。

「涼宮ハルヒの消失」は失敗作か?

SFファンの知り合いができたら聞いてみたいことがあって、映画「涼宮ハルヒの消失」のあるシーンについてだ。
 
クライマックスのシーンに納得いかなくて、面白かったけど、この作品って失敗作なんじゃないのかと思ったりしている。
ちなみに私はSFの素養がなく、ラノベ(というか小説)を読む習慣がない。
あとこの作品群を初めて見たのが2014年なので、流行っていた当時のアニメ誌や批評誌には当たれていない(「消失」は2010年公開)。
 
【クライマックスのシーン】(134分辺り/162分)
キョンが朝倉に刺される→意識が朦朧とする中、未来の自分の声が聞こえる→意識を失う→目が覚めると消失世界ではなく元の世界に戻っていた、というくだり。
 
「消失」は受け身だったキョンが主体的にSOS団の一員であることを選ぶ話だ。
だったら、意識を失う前のキョンがどうにかしないといけないのではないか。
宇宙人の朝倉に凡人のキョンがどうすればいいんだ、と言われれば何も思いつかないが、未来の自分が過去に戻って始末付けました、凶刃に倒れるのは既定事項です、って言われても、どうにも納得いかない。
原作も読んだが、納得できなかった。
このシーンは演出、脚本的に失敗の部類に入るのだろうか。
SFの素養があれば、この時間遡行オチは納得できるのか? 私にしてみたら夢オチ見させられたくらいなんだけど…。
 
 
 
2016年9月5日・6日にロフトプラスワンエストで行われた「『鬼才 五社英雄の生涯』刊行記念イベント 大地&太一のホロ酔い演出講座2DAYS!!」に行って、二人にそれぞれ聞いてみた。
 
大地丙太郎監督(「消失」は見てないそうだ)
「最終回とかは、さっきの『真田丸』を語る春日さんじゃないけど、自分の妄想が入っちゃうから、違うと許せなくなるからね~」
 
 
(質問の語尾に食い気味に)「僕の新刊(『鬼才 五社英雄の生涯』)読みましたか?」
 
——さっきイベントの休憩時間に買って、まだ読んでないです。
 
「じゃあ名取裕子のエピソードを読んでください。そこに僕の言いたいこと書いてます。名取裕子が『吉原炎上』で五社英雄に詰め寄るんだ。ヒロインの行動に納得いきませんって。でも辻褄なんかどうだっていいんですよ。映画ってそういうもの。辻褄が合っていなかったりする。辻褄を合わすのがお客さんの役割だから。
すてきなことじゃないですか、ずーっと一つの映画について考えるって、それだけ心に残ってるってことです。素晴らしい作品と会えたってことですよ。」
 
 
 
  
お二人に質問する前に、自分なりの答えを考えてはいた。
 「ベストではなく、ベター」なんじゃないか。
 谷川流の気持ちになってみた時、キョンを元の世界に戻す前に、ストーリー上にもう一つ障壁があったほうがいいと考えたんじゃないかな。
 
長門と言えば朝倉→朝倉にもう一度襲われるってどうだろう→おっ、なかなかいい考え→でもどうやってキョンに解決させよう?→時間遡行で解決できるな→いやでもそれじゃ夢オチって言われるんじゃ?→じゃあ読者の予想通り、キョン長門に短針銃撃って終わりにする?→いやでもそれじゃつまんないじゃん?→でも普通人のキョンが宇宙人の朝倉とまともに戦って勝てるわけないし、他にいい手を思いつかないなぁ…→これはどっちを取るかだな。何事もなく長門に再修正プログラムを打ち込んでキョンを元の世界に戻すか、夢オチって言われるかもだけど朝倉と戦わせるか…
 
って作者が考えたかは分からないが、勝手にこう考えてみた。
 
物語のプロである大地監督と春日さんに聞いたら答えが出るかなと思い大阪まで行ってみたけど、面白かったけど、スッキリはしなかった。
正解はないんだから、自分の答えは自分で見つけるしかないんだよなぁ、というすげえ当たり前の結論で。
 
私は物語が書けないけど、こういう想像を積み重ねることが作劇の訓練になるのかなぁ、なんて思った。

昨日の夢(刀剣乱舞)と、プスッとする未来

 昨日、「刀剣乱舞」のキャバクラに行く夢を見た。

 

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なんで?? 別に好きじゃないのに。

ゲームしたことないし、アニメもニコ生の一挙放送でずいぶん前に見ただけだ。

そしてキャバクラにも執事喫茶にも行ったことないのに。

 

人間がコスプレしてるのではなく、アニメの世界観の中に自分が入った感じだった。

場所はキャバクラや執事喫茶の内装ではなく、「本丸」と呼ばれるキャラ達の拠点。

 

入場料だけじゃなくオプション(ソフトドリンク飲み放題+軽食食べ放題、私もキャラも)付けて一万円だったので、「これで一万か…。通うなー」と思った。

 

なんでソフトドリンクなんだよとか(酒が飲めないわけではない)、軽食の内容が【茶菓子、サンドイッチ、ざるそば】とか意味が分かんないけど、そこはまぁ夢なので。

 

夢なら夢で楽しめばいいのに「これは金を払ってるから得られるサービスなんだ」と自覚して目の前の光景を受け入れていた(本丸の中を案内してくれるキャラがいたり、そば食べてるキャラが「ごちそうさまです! 」とか言ってくれる)。

 

 

んで起きてから、今の技術では無理だろうけど、「プスッとする未来」が来たら可能なんじゃないかなと思った。

 

「プスッとする未来」って何なのかというと、モバイルの歴史がポケベルがPHSになりケータイになりスマホになり、腕時計になりメガネになり…そしたらあとはもう体に線をプスッってするしかないじゃないか。攻殻機動隊の「電脳化」は何十年後かにはやってくると思う。

最初は「プスッとするなんて」って風潮なんだろうけど、スマホの普及みたいに、ある時点から急激に普及するんだろうな~。

  

 

 2017年年末~2018年年始にかけて、7月に新宿にできたVR施設「VR ZONE SHINJUKU」の特集をワイドショーやバラエティーでしていた。

ワイドショーもバラエティーも、「高所恐怖SHOW」という、地上200メートルで木の板の先にいる猫を助けましょう、というアトラクションを取り上げていた。

   

 

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出演者はテレビだからなのかもしれないが、派手に驚いたり、一歩も動けなくなったりしていた。ただ中に一人、何のためらいもなくスタスタと歩いて猫(に本人には見える置物)を持ち上げて戻ってきた女性タレントがいて、おもしろかった。

 

「これ、今後はエロと拷問の分野で発達するんだろうなー」と正月早々、見ながら思った。

 

 思った瞬間に頭に浮かんだ漫画2コマ、狂四郎2030とバナナフィッシュ

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徳弘正也狂四郎2030」2巻23ページ 集英社ジャンプ・コミックスデラックス

 

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吉田秋生BANANA FISH」17巻30ページ 小学館フラワーコミックス

 

 知り合い(男性)に話したら、エロはもうけっこう進んでるそうだ(個室ビデオ屋VR体験ができるらしい)。てことは拷問も…。

 

 

 

「プスッ」が進んだら、「自我って何なんだろう? 」「人間を人間たらしめる要素って何なんだろう? 」っていう問いが絶対出てくる。

そう考えたら、この問いを1989年に著した士郎正宗、1995年に映画にした押井守ってすごいな~って今さらながら思った。

これがSFの力なんだろうか。

試験は突然やってくる

「あなたが好きって言ってたから、アズマヒロキの画像検索してみたんだよね」

 

事務の仕事をしている。

たまにちょろっと隣の人と話をして、どこに住んでるとか、余暇の過ごし方とか。

右隣りのMさんは五反田に住んでて、私が「ゲンロンカフェ行きまくりじゃないですか!! 」と言ったら「そんなうらやましがり方なのw」と返されて、次の日冒頭のセリフ。

 

Mさん「さすがに動画は見なかったんだけどね」

私「私も誰が見るんだろうと思ってたんですけど、人に薦められて見てみたんですよ。

その動画が、初めて見たとき鳥肌立つくらい面白くてすごい好きなんですけど、東浩紀ひろゆき(私「2ちゃんねる作った人なんですけど知ってますか? 」Mさん「知らない」)がネコ耳付けた、ニコニコ超会議の動画がyoutubeにあるんですよ。

そこで東浩紀がペットボトルをたとえに、理系と文系の違いをすごいわかりやすく言うんですよ」

Mさん「どういうこと? 」

 

一瞬、「家で見返して要約してきます!! 」と言いかけたのだが、思い直して、今、言ってみることにした。

 

私「東浩紀が『ペットボトルってあるじゃん』って、対談で用意されてたペットボトルを手にするんですよ。で、『ペットボトルって、こうやって落としたら落ちるよね』って床に落としてみせるんですよ。で、『ペットボトルを落としたら落ちるって、何回やっても落ちるよね』って」

Mさん「そうだね」

私「東浩紀が『何回やっても落ちるって、理系の考え方だよね』」

Mさん「あー、そうだね」

私「東『で、歴史って文系じゃん』」

Mさん「うん」

私「『歴史って、何回も繰り返すと違う結果になるかもしれないよね』」

Mさん「あ~!! 」

私「『学問っていうのが、ある時に、繰り返したら何回やっても同じ結果になる、っていうのを学問の条件に入れたんだよね』」

Mさん「そうだね! わかる!! すごいよくわかる!! 」

 

私「東浩紀がすごいのは、“難しいことを簡単な言葉で言ってくれる”ところなんですよ。朝生も見るんですけど、あれは“難しいことを難しい言葉で言う”から、1時間くらいすると分けわかんなくなって、テレビ消しちゃうんですよね。東浩紀は東大だから、難しい言い方なんかいくらだってできるはずなんですよ。でも東浩紀は“朝生を最後まで見られない私”にも分かる言葉で言ってくれるから、すごいんですよ」

 

 

家帰って、ちゃんと言えてたかなって、もっかい動画見てみた。

www.youtube.com(話自体は36:00~頃から始まる。ペットボトルのたとえは39:43~頃から41:40頃まで)

 

けっこうちゃんと言えてたε-(´∀`*)ホッ

 

試験や本番は日時があらかじめ決まってるものだけど、“現実の試験や本番(ケンカとか)”は突然来るよな~と思った。

ラストどんつくに、深沢ミューズを見つけに行こう

5月14日、渋谷ロフト9で行われたイベント「クシノテラス東京トークライブ3

」を見にいった。

 

第1部の深沢佳那子さんコーナーがむちゃくちゃ面白かった。

縄文時代~日本神話における男根とホトについて、わかりやすく、面白い話を聞かせてくれた。

全国各地の「男根祭り」にも行かれていて、「今行ってほしい男根祭りベスト3」と銘打って話す。

パワポで男根祭りの様子を映すたび、

「黒々として、かっこいいですよね」

「かっこいいですよね」

都築響一さんにBLについてどう思ってるか聞いてみた~BL徒然ノートその5

なんで聞いたかというと、ぶっちゃけBLバカにしてるんじゃないかなって疑惑をここ1~2年ほど抱いてたので。都築さんの発信物すべてに目を通しているわけではないので何とも言えないんだけど、イベントでのトークやツイートで、軽くバカにしたニュアンスを含んだ感じでオチに使ってたように見えたので。

 

あまりこういうこと言い出すとPC的に正しいことしか言えなくなって超つまらなくなるので言いたくはないんだけど、でも都築さんには言ってほしくないじゃないですか。これまでラブホテルや暴走族や老人など、人々からバカにされがちなものに光を当ててきた都築さんには。

ただ、80年代ポパイというキラキラのど真ん中にいた都築さんから見たら、BLに距離があっても全然おかしくない。ただ、知らなくていいけど、知らないならほっといてほしい。でも「BLバカにしてませんか? 」なんておいそれとは聞けないよなぁ…。

 

以上のようなモヤモヤを抱えつつ2017年5月27日クシノテラス(広島県福山市)でのトークイベントに参加した。その日のトークテーマが「エロ」だったのと、都築さんの締めの言葉が「いろんなものを平等に見たい。エロだとバカにされるから普通はやらない、嫌うのはいいけど見てから嫌いになってくれ、と言いたい」だったので、じゃあこの後のサイン会で聞いてみよう、と思って聞いてみた。

 

以下やりとり(やりとりの数時間後にメモしたものを参照。録音はしてない)

深町「今日のテーマが『エロ』ということでお聞きします。BLについてどう思ってらっしゃいますか?」

都築(敬称略、以下同)「嫌いじゃないけど、周りには好きな人たくさんいるけど、やっぱり男にはわからない」

深町「周りの好きな方って、同じくらいの年齢ですか?」

都築「もっと若い人だね」

都築「BLよりはレディコミに興味がある」

 

都築「BLはゲイに嫌われてるよね」

深町「それは関係性に萌えてるか、肉体そのものに萌えてるかなんじゃないですか?」

都築「でも好きな対象は同じじゃん」

 

深町「都築さんの発言全部見てるわけじゃないけど、なんか距離感あるのかなって思ったんですよ。そりゃ一番遠いところですよ、80年代ポパイにいた人とBLでは」

都築「やっぱり男にはわからない」(2回目)

 

都築「BLについて言ったらいいのに」

深町「言いたいけど、おもしろいと思ってそういう目線で集めたりもしてて、集めると言いたくなるけど、でも言うのは恥ずかしい」

都築「言えばいいじゃん」

深町「嫌ですよ、だって全部自分で買ったものなんだから、自分の性癖が全部ばれるじゃないですか!! 都築さんもご自分の性癖をおっしゃってないじゃないですか」

都築「言ったらいいじゃん。参考にさせてもらいます」

やりとり終わり

 

で、勢いあまって同人誌を作ってみた。 

 

 

勇気を出して聞いてみてよかった!

会話の中で上手く言えなかったところがあるので、以下で反論を試みたい。

  

反論(書き起こして気付いたことなので、都築さんには言えてない):

都築「BLはゲイに嫌われてるよね」

深町「それは関係性に萌えてるか、肉体そのものに萌えてるかなんじゃないですか?」

都築「でも好きな対象は同じじゃん」

 同じじゃない。

男性同士の恋愛関係において、腐女子は「関係性」に萌えていて、ゲイは「肉体そのもの」に萌えているのではないか。

体が向いている方向は同じかもしれないけど、何を見ているかが違う。

ただ、遠くから見たら(気持ち的にBLやゲイから遠い人から見たら)、一見同じに見えるということなのか。

 だからこそ、ゲイは腐女子を嫌うのだろう(私自身はゲイの知り合いがいないので、私の実感ではないが)。

そりゃイラつくだろう、自分達は社会的地位を失うリスクにおびえながら恋愛してるのに、なに勝手にファンタジーのネタにしてるんだよって。

男社会から外れているという点では似てるんだけど。傷のなめ合いなんかしたくない、って言われちゃいそうだなぁ。

 

そういえば都築さんの性癖やアブナイ趣味って聞かないな、ということをこのエントリを書いて改めて思った。あんなに多種多様なアブナイ世界を取材してるのに。

あと不思議とその疑問を人に抱かせないなと思った。

そういう人が編集者という人たちなんだろうか。

運命の赤い糸とオメガバース~BL徒然ノートその4

二次創作で好きなカップリングのオメガバースものを読むの、嫌いじゃない。

(Wikiによるオメガバース解説:もともとは海外で発生したスラッシュ、やおい・BLジャンルの特殊設定で、日本でも広く普及した。能力が高くリーダー性やカリスマ性をもつ α[アルファ]、一般的な人間 β[ベータ]、発情期があり繁殖のための性として社会的地位の低い Ω[オメガ]が存在し、それぞれ男女があり計6種類の性別がある。α は男女ともに妊娠させる能力があり、Ω は男女ともに妊娠する能力がある。Ω は α を惹きつける特殊なフェロモンを発する。基本設定以外は書き手によって自由。)

(筆者追記:その他に重要な設定として“番(つがい)”がある。αとΩの間でのみ発生する強いつながりで、本能的なものであり、通常の恋人関係や結婚よりも強いものとされる。番になる基準は運命的なものであったり、性行為の際にαがΩのうなじを噛むことで関係が成立するなど作品によって異なる。)

 

でもこれって明らかに優性思想だよね。そんなのを読んだり書いたりするのってどうなの? ってちょっと思う。

あと設定を聞いた瞬間「ファンタジーも極まれり、だなぁ。だって無理じゃん、ちょうどいいタイミングで運命の番に出会うなんて。一方が70歳の時に5歳の運命の番に出会ってもどうしようもないし(運命の番同志は出会った瞬間、運命だとわかるらしい)、一方が日本に住んでて、もう一方はアフリカに住んでるので出会わないまま一生を終えました、って普通に起きるよね。あと結婚という制度が強いのは、内田樹によると“誰としてもそれなりに上手くいく”ところだし」って思った。

 

これって精神的な「赤い糸で結ばれた運命の相手」を信じられなくなった私たち女が、新たに生み出した「“体版”運命の相手」なのではないか。

だってしょうがないじゃん、生理現象なんだから。数か月周期で発情してしまっても。生理と一緒だよ。そうやって仕様がないことって社会的に認知されて、そんでスパダリ(スーパーダーリン)にぐちょぐちょに愛されたいっていう女たちの欲望。

 

数年前にインターネットカフェのトイレで「スーパーメディアモールfor women」というサイトの張り紙を見かけて↓

  イメージ 2

 

「meet」というWEBマガジンに銘打たれたキャプションには「秘めたる欲望はあってしかるべし。/自分の性欲に罪悪感を持つ必要はない。」とあるのを見て、「そうか、私たちは欲望(特に性欲)を持つことに罪悪感を抱いてしまうんだ」と気づいてしまった。あとその1年後? くらいにニコ生の放送で男性(「山田玲司ヤングサンデー」という番組の「おっくん」というアシスタント)が「女性に性欲ってあるの? 」と発言して「無いと思ってたの!!?? 」とびっくりした。でもその発言により、長年の違和感「男性ってBLをバカにするけど、じゃあお前はエロ本買わねぇのかよ」が氷解した。

社会的に女性が欲望(特に性欲)があることを表明することは忌むべきことというコードがあって、女性には性欲がないと思ってるから、それにより男性は女性に欲情するというところだってあるし、その社会的なコードを男ならず女もなんとなーく小さい頃から刷り込まれてるんだなぁ、と思った。だから私、20代の頃松田聖子やダイアナ見ててモヤっとしたんだなぁ。「そんな全部手に入れようとするなんて浅ましくないか」って。男の人が全部手に入れようとするのは別に悪い事とはされてないのにね。

 

閑話休題。でも二次創作で読みたいのって、結局ベタ(ご都合主義も極まれりの少女趣味とか)なんだよなぁ。

あと上記の「優性思想読み書きしていいのか?」の疑問じゃないけど、社会的によろしくないもの(SMとかロリとかスカとか)を、秘めたる欲望の昇華として読んだり書いたりしたいわけだし。

東浩紀がトランプ勝利(米大統領選)の際にニコ生で「PC(ポリティカル・コレクトネス)疲れってことでしょ」と発言したが、私たちもこの何十年けっこうがんばった。がんばって女性の権利はだいぶ拡大したし、気付いたら女性誌の「一か月ファッションコーデ」のキャプションも10年くらい前は恋愛のことしか言ってなかったのに、今は「VERY」でさえ“仕事も男も大事”みたいなニュアンスになってる。でもそのぶん疲れたんだよ。ベタが読みたいんだよ。だから「ユーリ!!! on ICE」が流行ってるんだよ。勇利は異国の「絵に描いたような王子様」の下へ嫁いだんだよ。シンデレラと一緒。BSアニメ夜話今日からマ王!」回で高見恭子が「私、ドラマで『○○』が好きだった(○○…一般家庭の女性が温泉旅館を営む家庭に嫁いで苦労する話らしい)んですよ、それと『マ王』は構造が似てる」って言ってたのと一緒。

 

思うのが、オメガバースが発生したのが、世界一ジェンダーが進んでいると言われるアメリカ、つうのがなんだか皮肉というかおもしろいというか。アメリカのジェンダー事情と日本のジェンダー事情がどれだけかぶるのかはわからないけど。あと今後はオメガバース寿たらこSEX PISTOLS」との関連性についても調べたい。

 

追記:

・「ユーリ!!! on ICE」素晴らしい作品だと思ってます。大好きです。

・関係ないけど、女性誌の「一か月ファッションコーデ」のキャプションは男性誌におけるエロ本のキャプションと相似関係にあると思ってます。てことは男性誌のエロ本のキャプションにも時代的変遷があるのかなぁ。