※「ラブライブ!サンシャイン!!」劇場版公開記念
1年以上前に出させて頂いたニコ生配信についてレポートする。
1:きっかけ
2017年11月10日(金)「新しい骨董トークショーat蟻鱒鳶ル」の打ち上げに行き、たまたまお隣だった秋山佑太さん(美術家・建築家)という方に誘っていただいた。
秋山さんは西荻窪で「中央本線画廊」を主宰されていて、その時の話題がオタク話だったので、秋山さんの仲間の若い男性陣もオタクだから、配信で一緒に話したら面白いんじゃないかとのこと。飲み会ノリで「出まーす! 」と安易に言う。フリートークなどしたことないのに。
翌日恥ずかしくなるも「山下陽光さんも『ノリ大事』って言ってるしなー」と思い、秋山さんにメッセージ送ったらOKとのことだったので、参考資料として夏に出した同人誌( はじめに~BL徒然ノートその1 - 向日性 )を送らせていただく。
配信日は未定とのことだったので、共演者について調べたり過去動画見たり、共演者が好きだという「アイカツ!」と「ラブライブ!」をできるだけ見るようにした。
配信は結局、11月22日22時からになった。
2:当日
【一緒にしゃべった人】
小林太陽さん…大学3年生(当時)。アーティスト。トークが上手い。進行役。
cottolink(コットリンク)さん…20代前半。絵を描く。なかなか人と目を合わせない。時々ボソッと鋭い事を言う。
【配信書き起こし】
出演時間は30分くらいだった。
11月末くらいまで配信を見ることが出来たので、前半15分ぶんくらいは書き起こせた。
<以下書き起こし>
小林(敬称略・以下同)「今日は深町さん、この番組の為に『ラブライブ!』と『アイカツ!』を見てきてくださって、感想と質問があるそうです」
cottolink(敬称略・以下同)「この世の中にはあるんです。最初はプリキュア見てる大きいお友達のことを“プリキュアおじさん”と言い出して、そこから女児アニメを見てるオタクを“○○おじさん”って言うようになったんですね」
小林「『アイカツ!』からいきますか。どうでしたか?」
深町「アイカツのほうが、見やすかったです。女児アニメだからだと思うんですけど。まだ1〜2話くらいしか見てないんですけど、これからも見ていけるな、って思いました」
cottolink「じゃあ178話がんばってください」
深町「そんなあるんですか!?」
cottolink「僕が初めてアイカツ見た当時は110話くらいだったんですけど、4日で見ました」
深町「えええ!?」
小林「何そのドヤ顔w」
小林「まぁでも仕事もありますからね。寝る前とかにちょいちょい」
深町「一日一話くらいで見ていって」
cottolink「半年後くらいには」
小林「生活の潤いとしてアイカツを取り入れていただいて」
cottolink「健全な営みですね」
深町「ラブライブは…。ごめんなさい、いきなり喧嘩売る感じになっちゃうかもしれないんですけど、設定で“スクールアイドル”って言ってて、部活動として、アイドル活動をしてるんですよね?」
小林「部活動ではないんですけど、放課後みんなで練習してってかんじですね」
深町「“スクールアイドル”、そこが、意味が分からなくてですね」
(観客<6人位>笑い)
cottolink「ほんとにごもっとも」
深町「とりあえず映画を見たんですよ。それで映画のための1期、2期の総集編(各30分)を見て、あと間違って『ラブライブ!サンシャイン!!』を見ちゃったんですよ」
小林「それ最悪のパターンですね(;^_^A」
深町「でも9人女の子がいる中で、確かにことりちゃんが一番かわいいと思いました」
(註:cottolinkというペンネームは、“南ことりにリンクしたい”という意味だそうだ)
小林「だって!!(cottolinkのほうを見ながら)」
cottolink「これが世の総意ですよ」
小林「ことりちゃんは女の子に人気ですね」
小林「“意味がわからない”っていうのはどういう」
深町「“ダンス部です!”とか“歌うたいます、軽音部です!”とかいうのは分かるんですよ。でも“アイドルです!”って…。ほんっとにごめんなさい、喧嘩売る感じになっちゃうかもしれないんですけど、うーん、もう言っちゃうんですけど、“私はアイドルです”って言うってことは、“私で抜いていいよ”って半分言ってる感じじゃないですか」
(観客笑い)
深町「暗に言ってる感じじゃないですか。往年のグラビアアイドルの山田まりやは自分で言いましたけど。で、アイドルは女優とか歌手より言ってる度合が上がる感じじゃないですか」
小林「まぁそうですね(;^_^A」
深町「それを部活動で? って…」
cottolink「それは至極まっとうな意見ですよ。考えてみてください、彼女たちの動機、“輝きたい”って何なんですか」
小林「それはサンシャインじゃないですか!」
<書き起こし終わり>
後半は今さら会話形式に再現不可能なので、意味不明だとは思うが2017年11月末に記したメモを貼り付ける。
[私からの質問]
・AKB48の影響があるのではないか?(ステージ衣装の感じが似ている)
・AKBだけではなく、他のアイドルのシステムや逸話は影響があるのか?
・最初からメディアミックスありきの企画だったのか?
・ミューズの現実のライブでのトークは、キャラになりきっているのか? それとも声優本人としてのトーク? 本人にキャラを混ぜる感じ?(格好はキャラのコスプレをしてるけど)
[二人からの回答]
・奴ら(ミューズ)はキメラですよ
・ミラクルではなく、アシッド(2016年4月の東京ドームファイナルライブの奇跡性を評して。強い言葉ではあるがもの凄く良かったんだな、というのが伝わった)
<メモ終わり>
【持参したフリップ】
実際はB4の画用紙に手書きした。
3:「“スクールアイドル”の意味が分からない」の真意
ごく単純に言うと、世界観に入り込めなかった。
最初のキーワードである“スクールアイドル”を受け入れられなくて、だから目の前でドラマが展開しても何も入ってこないというか。
アイドル=偶像、存在するだけで価値がある。ただそれだと客(信者)が金(気持ち)の落としどころがないから、歌うたったり踊ったりする。だから極論、その歌は上手くなくていいしダンスも下手でいい、というような事をかつてナンシー関は言った。
人が崇拝の対象になるって、大変なことだ。
だから(?)あがめられもするし、性欲の対象になったりもする。
春日太一は「アイドルは残酷な職業(賞味期限短いし、大変だけど低賃金だし、その後の活動にも潰しがきかないし)」と言い、林寛子は「ちょっと売れるんじゃ損だからね。死ぬまで芸能人でいなくっちゃ」(1998年のテレビ番組での発言。ナンシー関「耳部長」より)とジャニーズJr.の子供たちに諭すように言った。
そんな因果(で素晴らしい)なジョブを「部活動で」するってのが、意味が分からなかったんだよなぁ。
今私はこのエントリをニコ生の一挙放送(2019年正月)を見ながら書いている。
「優しい世界だな」と思った。
登場人物みんな可愛くて痩せていて、同級生(女子校)も裏で嗤ったりしない。
あと男性が出てこない(流し見だからもしかしたら出てきたのかもしれないけど)。
準備期間の時、正直見るのが辛くてなかなか進まず、でも初対面の人に「あなたの好きな作品、意味が分からなかった」なんて言えないよー、どうしよう? と焦っていたが、割と唐突に日程が決まったので、もう二人の懐に飛び込もう、と思って当日を迎えた。
事前に「一応こちら側としてはこんな風に組み立ててます」と軽く話しておけばよかったと後から思ったが、初めてだったので距離感が分からずガチで疑問をぶつけてしまった。
受け止めてもらえて良かった。
二人とも相反する個性で、トークが上手くて、物知りだった。
あと女性観覧者に「女の子の気持ちを代弁してくれた」と言っていただき嬉しかった。
私との鼎談の後は、お二人の同年代の美術仲間との座談になり、みんなキラキラ輝いてるなーなどと思いつつ終電まで観覧させていただいた。
【おまけ】
2018年12月~2019年1月の「ラブライブ!サンシャイン!!」山手線ラッピング車両の様子。