ドラマ「ホリック」感想(ネタバレ)
ネタバレ有。
2013年WOWOWプライムにて放送。全8話。1話30分って見やすくていい。
アマプラの配信は今日まで。
1.演者
杏が信じられないくらい手足が長くて、和柄ゴスはじめ数々の耽美な衣装を着こなしていた。「アウターゾーン」ミザリィや「スカイハイ」イズコみたいに、此岸と彼岸のはざまにいる存在に見えた。
東出がちょい俺様キャラの高校生役でかっこいい。特に矢を射るシーン。
後半敵役の安達祐実。今回、声の良さに気づいた。主人公ナメでベッドに乗り上げるシーン、「ありがとうございます!」と画面を拝みたくなるほど色っぽかった。
主人公役の染谷はオールマイティーにすばらしかった。お人好しで一途な青年ぶりも、一転して敵役に翻弄される姿の色っぽさも。
2.描写
豊島圭介監督は「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」(2020年)の監督。
配信作など、この人の作品を意外と見ていた。
ひまわりというヒロインの性格、ゼロ年代の青年誌(原作マンガの連載時期は2003年-2010年)ではまだ「あり」だったのだろうか。
「近所の友人が霊障で引きこもっているので、侑子(杏演じる登場人物)に助けてもらえないか頼んで欲しい」と自分に気がある主人公にお願いしたり、主人公が「明日からお弁当、君の分も一緒に作ってこようか」と言ったら「じゃあ百目鬼くん(東出演じる登場人物)の分もお願い。明日から三人一緒にお昼だね」って、なかなかでしょう。
他、ヒロイン関係で腑に落ちない描写はいくつかあった。
どれも演出/構成上仕方ないのは分かるが、自身のトラウマを百物語程度で人に話すかな? と思った。
「あなたはあなたのままでいい」というセリフを、自然体礼賛ではなく、ひっくり返して人を惑わす甘言として使い、最後また、強引ではあるが、正の意味にひっくり返したのは、青少年に対して叱咤激励だなぁと思った。
アクションなしに対決シーンを描いていたのが面白かった。
クライマックスの侑子と女郎蜘蛛(安達演じる登場人物)の対決場面、二人とも後光指す中、交互に主張(セリフ)を述べ、役者の演技(声を荒げたりはしない)と、音楽の入れ方と、人間(ヒロインと主人公)の口論場面とのクロスカッティング(技法名違うかも。同時刻に違う場所で起こっている場面を交互に映す)で、物理的接触なしに対決を描いていた。
ちなみに人間側の対決場面は、声を荒げ、揉みあいながらの刃傷沙汰で、ついには主人公が根性論で怒鳴り、泣いて気を失うヒロインを固く抱きしめるという流れ。超越者同士と人間同士、二つの場面が切り替わる中、音楽はずっと超越者側のそれが流れていた。
3.テーマ
「人を思うことの素晴らしさ」が、その面倒くささ込みで描かれていて、面白かった。
マンガも読んでみよう。