運命の赤い糸とオメガバース~BL徒然ノートその4
二次創作で好きなカップリングのオメガバースものを読むの、嫌いじゃない。
(Wikiによるオメガバース解説:もともとは海外で発生したスラッシュ、やおい・BLジャンルの特殊設定で、日本でも広く普及した。能力が高くリーダー性やカリスマ性をもつ α[アルファ]、一般的な人間 β[ベータ]、発情期があり繁殖のための性として社会的地位の低い Ω[オメガ]が存在し、それぞれ男女があり計6種類の性別がある。α は男女ともに妊娠させる能力があり、Ω は男女ともに妊娠する能力がある。Ω は α を惹きつける特殊なフェロモンを発する。基本設定以外は書き手によって自由。)
(筆者追記:その他に重要な設定として“番(つがい)”がある。αとΩの間でのみ発生する強いつながりで、本能的なものであり、通常の恋人関係や結婚よりも強いものとされる。番になる基準は運命的なものであったり、性行為の際にαがΩのうなじを噛むことで関係が成立するなど作品によって異なる。)
でもこれって明らかに優性思想だよね。そんなのを読んだり書いたりするのってどうなの? ってちょっと思う。
あと設定を聞いた瞬間「ファンタジーも極まれり、だなぁ。だって無理じゃん、ちょうどいいタイミングで運命の番に出会うなんて。一方が70歳の時に5歳の運命の番に出会ってもどうしようもないし(運命の番同志は出会った瞬間、運命だとわかるらしい)、一方が日本に住んでて、もう一方はアフリカに住んでるので出会わないまま一生を終えました、って普通に起きるよね。あと結婚という制度が強いのは、内田樹によると“誰としてもそれなりに上手くいく”ところだし」って思った。
これって精神的な「赤い糸で結ばれた運命の相手」を信じられなくなった私たち女が、新たに生み出した「“体版”運命の相手」なのではないか。
だってしょうがないじゃん、生理現象なんだから。数か月周期で発情してしまっても。生理と一緒だよ。そうやって仕様がないことって社会的に認知されて、そんでスパダリ(スーパーダーリン)にぐちょぐちょに愛されたいっていう女たちの欲望。
数年前にインターネットカフェのトイレで「スーパーメディアモールfor women」というサイトの張り紙を見かけて↓
「meet」というWEBマガジンに銘打たれたキャプションには「秘めたる欲望はあってしかるべし。/自分の性欲に罪悪感を持つ必要はない。」とあるのを見て、「そうか、私たちは欲望(特に性欲)を持つことに罪悪感を抱いてしまうんだ」と気づいてしまった。あとその1年後? くらいにニコ生の放送で男性(「山田玲司のヤングサンデー」という番組の「おっくん」というアシスタント)が「女性に性欲ってあるの? 」と発言して「無いと思ってたの!!?? 」とびっくりした。でもその発言により、長年の違和感「男性ってBLをバカにするけど、じゃあお前はエロ本買わねぇのかよ」が氷解した。
社会的に女性が欲望(特に性欲)があることを表明することは忌むべきことというコードがあって、女性には性欲がないと思ってるから、それにより男性は女性に欲情するというところだってあるし、その社会的なコードを男ならず女もなんとなーく小さい頃から刷り込まれてるんだなぁ、と思った。だから私、20代の頃松田聖子やダイアナ見ててモヤっとしたんだなぁ。「そんな全部手に入れようとするなんて浅ましくないか」って。男の人が全部手に入れようとするのは別に悪い事とはされてないのにね。
閑話休題。でも二次創作で読みたいのって、結局ベタ(ご都合主義も極まれりの少女趣味とか)なんだよなぁ。
あと上記の「優性思想読み書きしていいのか?」の疑問じゃないけど、社会的によろしくないもの(SMとかロリとかスカとか)を、秘めたる欲望の昇華として読んだり書いたりしたいわけだし。
東浩紀がトランプ勝利(米大統領選)の際にニコ生で「PC(ポリティカル・コレクトネス)疲れってことでしょ」と発言したが、私たちもこの何十年けっこうがんばった。がんばって女性の権利はだいぶ拡大したし、気付いたら女性誌の「一か月ファッションコーデ」のキャプションも10年くらい前は恋愛のことしか言ってなかったのに、今は「VERY」でさえ“仕事も男も大事”みたいなニュアンスになってる。でもそのぶん疲れたんだよ。ベタが読みたいんだよ。だから「ユーリ!!! on ICE」が流行ってるんだよ。勇利は異国の「絵に描いたような王子様」の下へ嫁いだんだよ。シンデレラと一緒。BSアニメ夜話「今日からマ王!」回で高見恭子が「私、ドラマで『○○』が好きだった(○○…一般家庭の女性が温泉旅館を営む家庭に嫁いで苦労する話らしい)んですよ、それと『マ王』は構造が似てる」って言ってたのと一緒。
思うのが、オメガバースが発生したのが、世界一ジェンダーが進んでいると言われるアメリカ、つうのがなんだか皮肉というかおもしろいというか。アメリカのジェンダー事情と日本のジェンダー事情がどれだけかぶるのかはわからないけど。あと今後はオメガバースと寿たらこ「SEX PISTOLS」との関連性についても調べたい。
追記:
・「ユーリ!!! on ICE」素晴らしい作品だと思ってます。大好きです。
・関係ないけど、女性誌の「一か月ファッションコーデ」のキャプションは男性誌におけるエロ本のキャプションと相似関係にあると思ってます。てことは男性誌のエロ本のキャプションにも時代的変遷があるのかなぁ。
腐女子になった日~BL徒然ノートその3
BL界では雑誌や単行本を買わせるために、応募者全員サービスという手をよく使う。
これがくっっっそ面倒くさい。
応募方法の一例
「雑誌1月号と2月号を買って応募券<コピー不可>をゲットし、単行本最新刊の帯に付いている応募券と先の2枚の応募券を雑誌1月号もしくは2月号の応募用紙に貼り、郵便局で定額小為替300円を購入、返信用台紙とアンケート用紙に漏れなく記入し、それらすべてを同封のうえ編集部まで送ってね!」
とかですよ。
でも「あのキャラ達の後日談が読める!」って言われたら読みたいじゃないですか。
そういう時に限って仕事が忙しかったりするけど、疲れた体を引きずって郵便局に行き、慣れない小為替を買って、入れ忘れがないか何回も確認したその封筒がポストに落ちる音を聞いた時、「もう私は『腐女子じゃない』とか言えないな」と思った。
新語「BL」「腐女子」への違和感について~BL徒然ノートその2
皆さん「ホリエモン」って細木数子が言い出した時どう思いました?
「ねぇな」って思いませんでしたか? もしくは「ドラえもんを汚すな」とか。
でも流行り言葉もある一線を越えると、抵抗する気力もなくなって普通に使ってしまいますよね。
「BL」という言葉が誕生したのは、杉浦由美子「オタク女子研究」によると1993年とのこと。
93年だと私は14歳だ。初めて聞いたのが中学生の時だったかは覚えてないが、「ねぇな」って思った。
それまでは「JUNE」「ホモ漫画」って言ってたのに、ボーイズラブって、なに急にきれいに言い換えようとしてるの?
でも商業誌はこぞってこの言葉を使いだして、たしかに「JUNE」や「耽美」という言葉に違和感はあったし、商業誌で「ホモ漫画」という自虐的ニュアンスを含んだ言葉は使えないよな、でもなぁ…と思っていた。
そしたらどこかから「ホモ」っていう言葉は差別語、と聞こえてきて、だったらもう日常生活でも「BL」を使うしかないですよね。
その頃、誰かは忘れたけど「あとがき」で「ホモは差別語というのはわかっているけど、BLってなんか違和感ある。だからこの場では差別的意味ではなくホモ漫画って使わせて」って書いてる漫画家(女性作家)がいて「あー分かるー」と思った。
「腐女子」について
Wikiによると「腐女子という言葉は、1990年代末にネット上で使用が確認されており、2005年頃から一般にも認知されるようになった」。
(「となりの801ちゃん」「腐女子彼女。」ともに2006年書籍化)
最初にこの言葉を聞いたのがいつかは忘れたが、仮に2006年だとすると27歳だ。「ねぇな」って思った。
自虐すればいいってもんじゃねぇんじぇねえか、って思った。
確かに小学生が読む雑誌で妄想するって腐ってるよ。
でも自虐されても他者は困るし、それに、「小学生が読む雑誌で妄想するような腐った行為をしてても、自覚してるから許してね」的なニュアンスさえ感じるんだけど。それって違わねぇか? って思った。おまけに「貴腐人」とか言い出して、アホじゃねぇか、って思った記憶がある。
はじめに~BL徒然ノートその1
私はいわゆる「隠れ腐女子」だ。
腐女子というのはBL(ボーイズラブ…金田淳子によると「主に女性の書き手が、女性の読み手に向けて描く、男性同士の恋愛やセックスの物語」)が好きな女性のことで、隠れ腐女子というのはBLが好きなことを日常生活では隠して生きている者のことだ。
高校生(90年代後半)くらいからBLに興味を持ちだしたのだが、BL友達が今まで一人しかおらず、その子とは別に好きな作品がかぶってるわけでもないので、今までほぼ一人でBLをたしなんできた。
一生カミングアウトするつもりはなかったのだが、アウトサイダー・キュレーターの櫛野展正(くしの のぶまさ)さんが著書「アウトサイドで生きている」で紹介されている「武装ラブライバー トゥッティさん」のエピソードをイベントで聞いた時に、「わかる、そう、オタって変(おもしろい)なんだよ! 『ラブライブ!』のことは全然わからないけど、腐女子も相当おかしい(おもしろい)んだよ! 」と、今まで抑えてきた「ここがヘンだよ腐女子話言いたい欲」の栓がポーンと取れてしまった。
それで、2017年7月に、生まれて初めて同人誌を作ってみた。
この ↓ イベント終了後に、“誰でもノーチャージで物販していい”という夢のような機会があったので。
その時の同人誌のタイトルが「BL徒然ノート」だ。
次からアップする以下のエントリを収録した。
恥ずかしいけど、このブログでも公開してみようと思う。
ちなみにタイトルは、トジツキハジメ「徒然」(新書館ディアプラスコミックス)からいただいた。
「徒然」はBL臭くなくて、不思議な味わいの作品なのでぜひ読んでみて欲しい。
BLではないが、同じ作者の新書館ウィングス・コミックス「俺と彼女と先生の話」シリーズも、とてもおもしろいのでぜひ読んでみて欲しい。那州雪絵好きならおすすめ。
東京のいも推しおもしろい\(^o^)/
東京に来てから、面白いなーと思って写真を撮りためているのが、スーパー店頭の焼き芋機。
(マルエツ新井薬師前店 2017年5月、ユータカラヤ高円寺 2017年5月、三徳中野店 2017年5月)
(コモディイイダ中野店 2017年5月、キッチンコート東中野店 2017年8月<店内設置>、ローソンストア100西荻北店 2017年11月)
(ワイズマート実籾店 2017年6月、同店同じ場所 2017年7月)
(ユニバーサルドラッグ落合店 2017年12月<店内設置>)
こんなん当たり前じゃん、 と思うなかれ。広島には無かった。広島で冬、焼き芋食べようと思ったら、黒ホイルで作るか、焼き芋屋のトラックが通るのを待つしかなかった。
東京に引っ越してきたのが2017年2月。「
4月「まだあるよ? でもまだ寒いしねー」
6月「もう夏だよ!?」
おもわずサツマイモの生産量&消費量の全国ランキングを調べた。
生産量はなんと、青果用で見たら茨木県が1位、千葉県が2位だった!!
(鹿児島県や宮崎県のは主に焼酎用で、青果用ではない)
消費量は、こちらのサイトによると、
第1位 青森県
第2位 三重県
第3位 鹿児島県
(東京都32位、茨木県40位、千葉県19位)
なので、そんなに高くない。
6月になって機械をしまった店舗と出したままの店舗の店員にインタビューしてみた。
しまった店舗:ローソンストア100中野五丁目店 Yさん「
出したままの店舗:ユータカラヤ高円寺店 Tさん「うーん、
まさかのドラッグストアで焼き芋!
ユニバーサルドラッグ落合店 Nさん「機械は去年もありましたよ。10月から3月くらいの間で設置するかな。けっこうよく売れますよ~」
もしかしたら、
これを読んだ当時、東京ではコンビニで焼き芋が買えるんだ、
なんと、最近では広島にも焼き芋機が進出しているらしい!
(フジ白島<はくしま>店 2017年10月、山陽マルナカ可部<かべ>店 2017年12月)
これから広島にも焼き芋機の波が来るのか?
大阪の現状は?
今、私の感覚は「スーパー店頭に焼き芋機設置⇒めずらしー!」
2016年2月20日(土)、ヲルガン座(
それ聞いて、「まさか地下広場のフリマがネタになるなんて! 」とびっくりした。
よく都築さん、「遠くに行かなくても、身近に面白いものはある」
しかも私、けっこうそういう視点で日常を見てるはずなんだよ(
でもやっぱ、「身近だと当たり前すぎて見えない」ってある。
だから旅行で初めて来た土地とか、引っ越して来たばかりとか、
部屋のにおいみたいに。
東京はポイント4倍!?~上京して思ったこと
1:東京はポイント4倍
上京して、一番近くの100円ショプを検索して行ったら、隣が中野ブロードウェイでびっくりした。
引っ越す前は、大きいコンサート会場っつったら家から自転車で30分で「広島グリーンアリーナ」があった。今は、「中野サンプラザ」だ。あの。
初めてアルタに行った時、これサンモールじゃん、って思った。
(サンモール:広島市の中心部にある若者向けファッションビル)
(グリーンアリーナ、サンモール)
地方民はみんなそれぞれ地元の「グリーンアリーナ」「サンモール」を持ちつつ、メディアで「中野サンプラザ」「アルタ」という言葉を聞きながら育つ。で、上京した際に「うおーここがあのアルタか!!」ってなるけど、でもアルタよりサンモールのほうがショッピング的には充実してる。
どんなに大きくたって人のサイズには限りがあるし、リニアモーターカーができようが一日で移動できる距離には限りがある。時間と金と体力にはどうしたって限りがあるので、行けるイベントには限りがある。
アフターファイブにどこ行くかって、広島の時はヲルガン座で、今はロフトプラスワン。ヲルガン座のイベントもロフトプラスワンのイベントもどちらもとても面白いけど、ロフトプラスワンのは2週間後にブブカのネタになっていたりする。
だから昔は「東京一択」だったのか。
例えるならカードのポイント還元率が5倍とか。
ネットの普及や震災を境にそのポイント感は4倍とか3.
でもポイントは副次的なものであって本質ではない。
ヲルガン座のイベントもロフトプラスワンのイベントもどちらもとても面白いし、「服欲しいなー」って思った時、広島の街中で見つかるもので十分満足してた。東京は広島の何倍服屋があるんだよって感じだけど、大きすぎると逆に探す気が起きなかったりもする。
「東京は遊びに行くところであって住むところではない」ってこういうことか。
2:都会は過ぎると野生になる
駅の人の流れが怖すぎる。普段広島だと、大阪でも怖い。
ラッシュ時、新宿駅のホームって幅が5メートルくらいあるんだけど、
でもすぐに慣れた。人の流れは川の流れみたいだと思う。
夜に新宿駅から三鷹行きの総武線に乗って、
朝の満員電車の中でメイクし出す女性(
終電の山の手線に乗ったら空いてて、7人掛けの座席に、
都会は過ぎると野生になる。
3:方言の謎が分かった
なんで東京の人は出身地の方言がいつまでも消えないの? 普通新しい土地の言葉に上書きされるよね? 信念をもって変えないようにしてるのかな? と思ってたんだが、実際来てみて分かった。
みんな標準語を話すから、言葉が上書きされず、
ただ、言葉は相手に伝わってこそなので、
私自身はこれまで関西弁→宮崎弁→広島弁と使用言語が変化してきた。
今でも語尾に「~じゃけぇ」
でも、
たいぎい→面倒臭い
たちまち→とりあえず
たう→届く
~しんさい→~したらいいよ
市田響「徘徊写真あるいは、」感想
街中のちょっとした風景が切り取られている。
手書きの貼り紙や、なんとなくうらぶれた景色。でもちょっと可笑しい。
みんなけっこう空見るの好きだし、日常の中にささやかな可笑しみを見出したりしている。
でもいちいち言わないし、書きとめない。
面倒だし、おまんま食ってくのにじゃまな能力だし。
つい「最近何も面白いことないよー」とか言っちゃう。
コンスタントにそれをできるのは、素晴らしいことだと思う。